人口統計で見える佐良浜の課題2
やびとんな、わいてぃかないよぉんな?
前回の投稿で、人口統計から見える佐良浜の課題として、以下の3つを提起しました。
1.子どもの生活環境・学習環境の課題
2.子育て世代流出の課題
3.高齢者の生活環境の課題
そのうち、「1.子どもの生活環境・学習環境の課題」については前回の投稿で触れましたので、今回は、2.子育て世代流出の課題について考えてみます。
2.子育て世代流出の課題
以前も紹介した佐良浜の男女別人口ピラミッドのグラフです。佐良浜の高齢化率が際立っていることに目が行きますが、生産人口(15歳~65歳)の中をもう少し細かく見てみたいと思います。
一般に、子育て世代といわれる年齢は20歳~49歳と定義されています。最近では、晩婚化や出産年齢の高齢化から20歳~59歳とすることもありますが、地域の課題を理解しやすくするために、一般的な定義にしたがいます。
上記のグラフを見ると、子育て世代といわれる20歳~49歳の割合が、沖縄県平均35.7%、宮古島市平均31.5%であるのに対して、佐良浜は445人で18.7%と市平均と比較しても12%以上低い結果となっています。
つまり、佐良浜は子育て世代から「住みたい地域」として選ばれていないといえますよね。
子育て世代から選ばれない地域は、当然、子どもの数が少なくなるわけですから、次の時代を引き継いでいく人材がいなくなり、衰退していくことになります。
それでは、なぜ、子育て世代が佐良浜から流出してしまうのでしょうか?
まず考えられるのは、進学や就職を契機に、島を離れ、進学先や就職先で生活の基盤ができ、家庭を築いて島外で暮らしているというパターンがありますよね。
頑張って成功し、島を離れても、内地で充実した生活を送っている方もたくさんいます。
特に佐良浜のをはじめ、離島の場合は、進学を契機に島を離れることがほとんどですし、全員が全員、島に帰ってくるということを想定するのは現実的ではないですよね。
ただ、島に帰って暮らしたいと思っているのに、なかなか帰ってこられない人がいます。
なぜ、島に帰ってこられないのでしょう?いろいろな理由があると思います。
たとえば、
・島に希望の仕事がない
・仕事があっても低賃金だ
・そもそも住む家がない、あるいは家賃が高い
・子どもの進学先を考えると今住んでいる地域の方がいい
・橋はつながったけど、まだ不便だとか、職場や子どもの習い事の都合で宮古島の方が便利だ等
簡単にイメージができそうなものを上げると、こんな感じでしょうか?
しかし、実際のところ、島を離れた若者たちが、なぜ島に戻ってこないのか、あるいは、どうして戻ってこられないのかは、島を離れて暮らしている人たちに聞いてみないとわからないはずですよね。
それなのに、いままでに一度も「島を離れて暮らしている人」たちを対象に、なぜ島に戻ってこないのか、あるいは、どうして戻ってこられないのかを直接調査した事例はないんです。
島に住んでいる人は、地域の人口を維持するために、移住者を積極的に受け入れたいわけではないはずです。「島に生まれた人が、島で暮らしたいと思うなら、島で暮らせる」という環境を残しておきたいと考えているでしょう。
そのためには、地域も変わっていかなければならない。若者が島を離れるホントの理由を聞き、変化していく、あるいは変化をたくしていかなければならないのではないでしょうか。
話は少しそれますが、宮古島市ではいま、伊良部島を都市計画区域に編入しようとマスタープランの変更をしています。それは伊良部島に暮らす全ての人の生活に関係する大きな変更になります。特に佐良浜地域は、都市計画区域に編入され、建築基準法が適用されることになれば、個人の財産権に大きく踏み込むだけでなく、いままでに築かれてきたコミュニティーや伝統行事に影響をあたえる変更になります。
これは、住民の生活に非常に重大な影響を及ぼすことですから、行政は、地域のまちづくりについて、もっと住民の意見を聞かなければならないはずです。
わたしは、まちづくりにあたり、佐良浜出身の島外在住者に対してなぜ佐良浜を離れて暮らしているのかや、Uターンの希望の有無、Uターンのための環境条件等をアンケート調査することを、市都市計画課や調査業務を受託した昭和株式会社に対して要請していますが、取り合っていただけていないのが現状です😢😢
とにかく、子育て世代が住まなければ、子どもがいなくなってしまうわけで、次の時代をになう人材は地域にうまれません。
子育て世代が住みたいと思うような地域をつくっていくということが、次の300年につなげるためにも重大な課題であります。
次回は、3つ目の課題、高齢者の生活環境の課題について考えます。
それでは、あちゃんかい。